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#00145 溝に橋を架ける

こんにちは、あおけんです。

 

今回も、一冊の本からのまとめです。

 

『他社と働く』

「わかりあえなさ」から始める組織論

埼玉大学 准教授 宇田川元一

NewsPicks PUBLISHING ¥1,800

 

組織論ではありますが、人と人との関係を

円滑にする上で大切にしたい思考と

捉えた方が読む価値が高まるかと思います。

 

「なんで私の言うことが伝わらないの?」

 

「あいつの言うことは全然理解できない!」

 

こんなこと、よくあるんじゃないでしょうか?

 

そして、プライベートはもちろん、仕事上でも

それが原因で組織で良い結果を達成するのが

困難なことも珍しくないと思います。

 

その原因と対策を体系的に示したのが本書です。

 

これ、入社直後の課題図書とかにして、組織で

働く人みんながお互いにこれを意識したら、

ものすごく生産性高まるよなと思います。

 

最初にこれを端的に言ってしまえば、

 

「お互いのナラティブを知る為の対話をする」

 

といったところでしょうか。

 

ナラティブ??どういうこと??

 

となってしまうと思うので、そのあたりは以下で。

 

さて、問題には2種類あるといいます。

 

1つは、既存の知識・方法で解決できる

技術的問題。

 

2つ目に、関係性の中で生じる問題である

適応課題。

 

で、私たちの社会が抱えたままこじらせている

問題の多くは「適応課題」であるとのことです。

 

これは、「こうするほうが合理的だ」と主張

しても解決することはなく、変化がもたらす

恐れを相手が乗り越えることを可能にして

いかなければ、モノゴトが先に進まないからです。

 

確かに、人間は感情的な生き物だし、既得権益や

ポジション等もあって、ロジカルに説得しても

解決しないことなんて否応なしに経験しています。

 

そこを解決するのが対話となります。

 

そして、超重要なマインドセットとして、、

 

「お互いに分かり合えていないことを認める」

 

ことが出発点といいます。

 

これは、男と女、大人と子供、

大企業とスタートアップといった思考の違いが

分かりやすいところではありますが、極論、

誰一人同じ人間がいない以上は、むしろ、

分かり合える部分がある方がラッキーくらい

の感覚があるべき姿なのかもしれません。

 

お互い主張が異なった場合、

一度自分の解釈の枠組みを保留してみて、

相手がなぜそのように主張するのかを考えて

みると、相手には相手なりに一理はあるという

ことが見えてきます。

 

この本のキーワードとなるナラティブとは、

物語、解釈の枠組みのことです。

 

例えば、「上司たるもの/部下であるならば、

こういう存在であるはず」という暗黙的な

解釈の枠組みをもっていて、その解釈に

沿わない言動をすると腹を立てるものです。

 

こちらのナラティブとあちらのナラティブに

溝があることを見つけて、言わば「溝に

橋を架けていくこと」が対話だと言います。

 

そのステップとして、

 

①溝に気づく

 

②溝の向こうを眺める

 

③溝に渡り橋を設計する

 

④溝に橋を架ける

 

とシンプルなものですが、実際にこれを

考えてコミュニケーションをとっている

ことは少ないのではないかと思います。

 

これができる人は、いわゆる”仕事ができる人”

で、Win-Winづくりがうまくできています。

 

多くの場合、溝には気づけます。

でも、自分が正しく、相手が間違っている。

で、止まってしまうのです。

 

この本の最も重要なメッセージとして、

 

「見えていないものを見よ」

 

ということです。

そうするには、自分の立場を一度、意図的に

離れて、相手の立っているところに、立って

見る必要があります。

 

よく、賢者ほど謙虚だよなぁと思うのですが、

これは、「自分は間違っているかもしれない」

という可能性をも考慮してたりするからだろう

なと思ったりもします。

 

ナラティブ・アプローチが目指すところは、

相手を自分のナラティブに都合よく変える

ことではありません。自分が自分のナラティブ

の中においてしかものを見ていなかったことに

気づき、自らを改めることを通じて、相手と

私との間に、今までにはなかった関係性の

構築を目指すことにあります。

 

これ、具体的に生活や職場で実践するならば、

私なら以下のようにします。

 

①とりあえず、お互い思いのままに話す

②ズレがあれば、実際に相手と同じことをやる

③見えていなかった気づきをお互いに得る

④両方を経験し、客観性ある判断を下す。

 

お互いのポジションから言いあっても

平行線をたどるのは良くある話だから、

まずはお試しで相手の立場に立って

みましょうよと。

 

個人的には、サッカーをやってたので、

FWとDFがしょっちゅう喧嘩してたので、

ポジションチェンジすれば歩み寄れたはず

なのになと今になって思います。

 

FWは「点を取るのが仕事」なのか、

「守備は全員で」なのかで割れたりします。

そのポジションを経験しないとその苦労は

分からないものだったりするのです。。

 

例えば、マネージャーも現場に指示をする

だけじゃなくて、自分が現場に入ったら、

現場の人が言ってることを理解できるはず

なんですよね。

 

あーだこーだ言いあって、理解しあえず

終わるのはもったいないので、

「お互いの立場に一度立ちに行く」のが

最善かなと思います。相手の主張には

相手の経験(物語)があってのものなので

それを味わったかどうかが大きな分かれ目

だと思うので。

 

長くなったので、このへんで。

 

今日も最幸の1日に!!